一昔前までは新しい自動車と言えばハイブリッド車だったかもしれませんが、電気自働車も今やエコ自動車として自動車市場で人気急上昇しつつあります。電気自動車はどうやって動くのか、仕組みや維持費、メンテナンスなどを紹介しましょう。
まず仕組みですが、これはガソリン車がガソリンでエンジンを回転させることで車輪を動かす力を取り出すのに対し、バッテリーに蓄えられた電気を利用してモーターを回し、それによって車輪を動かす力を得る点が大きな違いです。子供の頃に小型のモーターと乾電池を利用していろいろなおもちゃを作った経験のある人も多いでしょうが、原理的にはそれと同じになります。もちろん、バッテリーは乾電池のように1回限りの使い捨てでは経済的ではありませんので、何度も繰り返し充電できるようになっています。
ガソリン車の性能を一言で表すのに例えば1500ccの車というようにエンジンの排気量が用いられることが多いのと同様に、電気自動車の性能を大きく左右するのがこのバッテリーです。簡単に言えば、できるだけ軽く、またできるだけ小さいサイズでありながら、電気の容量としては大きいものが良いわけで、電気自動車開発の歴史は即ちこのバッテリーの性能アップの歴史と考えることもできます。もちろん容量のみならず充電のスピードや繰り返しの充電でも劣化が限定的という要素も重要ではあります。
維持費やメンテナンスの問題も多くはバッテリーに関係しています。充電は家庭用の100ボルトコンセントがそのまま使えますし、一般の家庭であっても引き込み口までは来ている200ボルトの電源が充電に使えるようになっているタイプもごく一般的です。同じ距離を走行した場合、電気代をガソリン代と比較すると一桁安くなり、それだけ維持費は安くて済むことになります。ただし、現在の技術水準では、充電を繰り返すことによるバッテリーそのものの性能劣化がどうしても避けられず、自動車本体はまだ十分に使えてもバッテリーが劣化した場合には取り換えを余儀なくされることがあります。これも維持費の一種ではありますから、その点は考慮に入れておく必要があるでしょう。
車種や価格帯ですが、少し前までは非常に限られた車種しかなく、同程度のサイズやタイプのガソリン車やハイブリッド車と比較した場合の割高感は否めませんでした。しかしエコ自動車として人気が高まるにつれ、いろいろな需要に対応した様々な車種が登場してきていますし、価格帯もかなりこなれたものになってきています。